犬のけんかを考える
写真は、横浜からはるばる来てくれた柴犬の華ちゃんと夢ちゃん。 お父さんが同じ8ヶ月の姉妹犬です。 お電話でご予約をいただいた時に、喧嘩のことについてご相談がありましたので、 今回3泊4日のお泊りでしたが、その間、気をつけながら一緒に過ごしました。 ふたりとも、とてもフレンドリーで甘えん坊。 寄り添ってお昼寝したり、じゃれあって遊んだりと、一見とっても仲良し。 ところが、何の予兆もなく、突然その瞬間がやってきたのです。 その余りの激しさに、一緒にいたワンちゃん達も凍りついたほど。 本来であれば、犬は犬同士、人間は介入すべきではないと思っていますので、 怪我をしない程度であれば、ちょっとした喧嘩くらいは放っておくのですが、 さすがに今回は止めました。 飼い主様にもお伝えしましたが、激しい喧嘩の仲裁に入る場合は、
素手ではなく棒などの道具を使いましょう。
興奮状態にありますので、普段おとなしい子でも咬みついたりします。
飼い主さんであろうが、誰であろうが、見境なくなっていますので、 大きな音を出して、正気に戻してあげるのも良いかもしれません(より安全ですしね^_^) この事があって、お部屋を分けてしばらく様子を見ることにしました。 初日から、ごはんやオモチャを取り合っていましたので、 お互い、そのストレスからは解放されたような気がします。 多頭飼いの場合、特に食事の時など、
それぞれが落ち着いて過ごせる場所を作ってあげることも ワンちゃん達の性格や相性によっては、必要かもしれませんね。 その翌日、お散歩に出発した直後、再度激しいバトルが勃発。 まあ、顔を合わせれば、またやるだろうなとは思っていましたので、
直ぐに引き離しましたが、冷静になってからは、何事も無かったかのように 仲良くお散歩していました^_^
結論(私の見解)
・夢ちゃんが華ちゃんにヤキモチを妬いている
・2匹の間で上位争いの決着がつく気配がない
・雌同士である上に、そもそも相性が悪いのかもしれない
犬は嫉妬心が強い。
これは本能のひとつですので、なにもこの2匹が特別ということではありません。
多頭飼いの場合、人間のほうで順位をつけず、
あくまでも公平に愛情を注ぐのが良いとされています。
ただ、実際には犬の立場からすると、不公平さを感じているのかもしれません。
どちらも同じように可愛がれば良い、という単純なことではなく、
それぞれの性格に応じた、それぞれの欲求を満たしてあげることも
時には必要なのではないでしょうか。
華ちゃんと夢ちゃんのケースでも、華ちゃんは夢ちゃんに対して
それほど嫉妬していない気がしました。
上位争いについても、通常であれば決着がついていてもおかしくないのですが、
エスカレートしていくばかりで、どちらも譲らない。
かなり本気で咬みにいってますので、このままでは大怪我の心配があります。
ただ、ひとつ気になるのが、
おうちでは、大喧嘩をするのは、飼い主さんが見ている時だけであるということ。
お留守番中には一切揉め事はないそうです(カメラで見る限りは)。
完全に、飼い主さんの取り合いですね。
しかも、夢ちゃんの猛烈な「独占欲」が原因だと思われます。
正直、彼女たちは別々に飼われていたとしたら、
ものすごく幸せだったと思います。
とっても良い子であるし、とにかくどちらもカワイイ。
柴犬らしからぬ人懐こさも魅力ですしね^_^
飼い主さんには、お迎えにいらした時に少しお時間をいただいて全てご報告をしました。
また、普段の飼育状況や生活の様子もお聞きして、今後の対処方法など、
いくつかアドバイスさせていただきました。
犬のやど くーのしっぽ では、滞在中、家族同様に長い時間を一緒に過ごします。
最初は遠慮がちなワンちゃん達も、だんだん馴れてくると本音をぶつけてきます。
だからこそ、より飼い主さんに近い感覚で
ワンちゃん達を見ることが出来るのかもしれません。
当やどのお客様には、飼育相談やしつけに関するアドバイスなど、
すべてボランティアでおこなっています。
遠慮などいりませんので、ばんばん使っていただければと思います^_^